函館中華会館

元町の中でも一際目立つ建物です。中華会館の前を通るときには思わず目で追ってしまいます。しかし、この中に入ったことはありませんでした。普段は公開していないからです。ですが、2008年から期間限定で一般公開を再開し、2010年には館内の撮影も期間限定で許可されることになりました。その際には「喜捨」として別途お金がかかりますが、滅多に見られないことを考えるとその価値は十分あるように感じます。

それでは、館内の様子をレポートしていきたいと思います。

まず、入ったと同時に篭もった空気を感じました。そして少し急ぎ足で歩くとぎしぎし床から音が鳴ります。そこから、建物が本当に古いものであることが伺えます。

館内は外観と同じように赤の色が強いです。しかし外の赤レンガはどちらかというと赤茶といった風ですが、館内の赤ははっきりとした朱色です。天井も柱も主の漆塗りだそうです。そして赤だけでなく、金色も館内を彩っています。しかもその金色で施された細工は大胆でありながらとても繊細で、まさに豪華絢爛という言葉がぴったり当てはまるでしょう。

造りについては、天井が高いことが印象に残っています。天上を見上げると、赤い梁が天井へと高く長く繋がっているのが見えました。その天上から吊り下げられている照明も細かな細工がされています。絹とガラスの宮灯(ランタン)だそうです。時代にもよりますが、昔は蝋燭や灯篭がメインだった日本にはない形なので、とても新鮮に感じます。

館内の中央付近からは、強い線香の香りがします。それもそのはず、中華会館は三国志で有名な関羽を祭る廟があるからです。関帝廟というそれも赤と金が目立つ、と思いきや、実は違う色もありました。鮮やかな緑が関帝廟の上辺りから覗いています。緑は赤と反対色なので本来ならば目に痛いと思ったのですが、金色が緑と赤を繋いでいるからでしょうか、その二色が一つになっているように感じました。

中華会館の中では、展示もされています。繊細な表現がされた彫刻や水墨画、書などの美術品や、中華会館竣工当時の品、会館が機能していたときの調度品、関羽に関わる品々、そして中国人と函館との関係を表す資料などがありました。また、館内でお土産を売っているところの近くに、赤いチャイナ服を着たお姉さんがいました。会館の案内役をしているそうです。私たちの質問にも素敵な笑顔で快く答えてくれました。

日本の有形文化財に指定されているこの中華会館は、2010年の今年、創建100周年を迎えます。皆さんも是非、この豪華で華麗な雰囲気に包まれてみてください。

所在データ

名前 函館中華会館
住所 函館市大町1-12
営業時間 現在閉館中
外観のみ見学可
電話番号 0138-22-5660
駐車場 なし